満月の日、夜のハシゴをのぼって
月の扉をひらく
そこにあふれるのはたくさんの嘘
誰かを守る言葉の端々や
甘く、耽美な響き
夜、行き場を失った嘘が、ふわりと浮いて月の中に吸い込まれる
嘘を肥やした月がまんまるに太ったら、月の扉をひらく
そして雨のように、一晩中嘘を降らせた
空が白むとハシゴをおりて
いつも太陽にお祈りをする
優しい嘘で喜ぶよりも、本当を聞いて悲しみたい
それでも月は、今日も太っていくのだけれど
惑星のプランより「月の扉」
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詩集
2016年制作
A5 ¥300