ある日、重力の半分が失われた。
大気汚染が原因とか、マントルの損傷の調査とか、
たくさんの人が騒ぎ立てている。
走り高跳びの記録は大きく塗り替えられたし、
法律も大きく変わった
『重力制限法』とかいう法律で、
人があまり高く飛びすぎるのを禁止するものらしい。
靴の裏は剣山みたいにトゲトゲになって、
それに合わせて地面もスポンジのような特殊素材に全面改装されていった。
スカイバイクに乗る、空飛ぶ警察官
跳躍力が自慢の、高飛びギャング
この星は、今、戸惑っている。
急な変化に耐えかねて、星全体が疲弊している。
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詩集
illustration by miyo